令和5年度卒園式の思い出より・・・
令和5年度 オリーブ栗東保育園第1回目卒園式の様子・・・
~玄関には卒園児D君の描いた絵の展示コーナー~
~コサージュをつけてもらって入場です。~
~当社社長より お祝いの言葉~ ~思い出のアルバムも作りました~
今年卒園されるのは、自閉症のD君です。D君はとても笑顔の素敵な男の子・・・
数字や空間認知力、運動面でずば抜けた力を持っています。
~全てD君が折りました!~ ~模写が上手です!~
彼の得意なこと・・・それは苦手なことにもつながります。
例えば・・・
1.数字が無造作に集合している中から1から100までを順番通りに線でつなぐのが得意です。
でも・・・自分が思い描くようにいかない時には、大きく気持ちが乱れ、その思いをどこにぶつけたらいいのかわからなくなります。
2.大人が使う折り紙の本を見ながらカエルなどの動物を一人で折ったり、見たものを正確に絵に描くことができます。
でも・・・納得するまでトコトンしたいので、周りと同じ活動をするのは苦手です。
3.ブロックは見本通りに色や形を組み合わせて飛行機や建物など色んなものをあっと言う間に作ります。
でも・・・自分がしようとしているのに、他の子どもに触られるのは苦手です。
4.運動神経も抜群で走ること!飛ぶこと!俊敏な動きで巧技台遊びを楽しみます。
でも・・・周りの大人がヒヤッとすることが多くあります。自宅の2階にいるはずの彼が庭に出ていてびっくりしたということがありました。どうやら2階から飛び降りたのか?樋を伝って降りてきたのか?今でも謎のままですが・・・
5.保育士が仲立ちとなれば、やりとりも楽しみながら周りの友達と一緒に遊ぶことができます。
子ども達にとって彼は憧れの存在です。
ある時、同じグループの子どもが「せんせい、ヒコーキつくって」とブロックを持ってきました。
どうやら私の作るものは、子どもの思うものではないようで「せんせい、これじゃない!D君ならもっとすごいのがつくれるよ」とD君が登園するのを今か今かと心待ちにしていることがありました。
特に、彼の運動神経の良さは、周りの子ども達に刺激を与え、「あんな風になりたい」と憧れる存在のようでした。誰よりも彼のずば抜けた力量は子ども達がよく知っていました。
~園生活の思い出を上映しました。~
~大好きなお父さんとお母さんにお花のプレゼント~
卒園式の最後に、彼のお父さんが職員に向けてお話してくださったのは・・・
「卒園おめでとう!色んなことがあり、先生をびっくりさせてしまうこともあったね。特に家で2階から飛び降りた時には、先生たちはびっくりしていたけど、そんな時でもお父さんは、『すごいなぁ~そんなこともできるのか?』と感心したんだよ。君はしたいことやできることに大きな凸凹があるけれど、お父さんは心の中では、そんな君を楽しんでたんだよ。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、もっと凸凹を極めて欲しいと思っているからね」
素敵な送る言葉ですね。
親は、我が子に「みんなと同じ」を求めてしまいがちですが、人にはそれぞれ違いがあります。
その違いは、周りの大人が1つの個性として受け止めるのかどうかでその子への見方が変わります。
人には、それぞれ得意なことや苦手なことがあり、特に障がいのある人の中には、視覚優位や聴覚優位などの個性のある人もいます。
オリーブでは、それぞれの子どもの個性に応じた保育を心がけていますが、このお父さんの「凸凹を楽しむ」という言葉こそ、インクルーシブ保育の原点であると再認識させていただきました。
こんな素晴らしい思いで子育てをされているお父さん・お母さん・子どもさんに、これからも大いに凸凹を極めて欲しいと願いました。
ご卒園、おめでとうございました。
いつでも遊びに来てくださいね・・・
待っています!
オリーブ栗東保育園のみんなから・・・